渋谷パルコでやっている写真展にあまりにもあまりにも感動してしまって3回も行ってしまった。会期中パスポートみたいのを発行してほしかったくらい! 最初ひとりで行って、次にアルムと行って、そしてまた、ひとりで行ってしまった。3回は行きすぎだろうと思ったけれど、つい。3回目はみたい、というより、もう、ただそこにいたい、というかんじだった。すきな作家が何人もオリジナルプリントを出していたというのも理由のひとつ。いや、でも、なんか、そういうのではなくて、会場全体がすごいエネルギーをたたえていた。それを浴びたかったんだと思う。作家ひとりにつき4枚とかしか出展していないし、窓の外にはぎらんと渋谷の街が見えて、パルコ的な音も何かきこえる、決して展示会場として集中できる最高の場所とは思えないけれど、そんなのまったく関係なく。写真であんなに感動したのはちょっとしばらくぶりだった。
それで、ふしぎなことに、そのあと自分の作品をまとめてたくさん見てみたら、また、同じようにぐらぐらっと心がうごいてしまった。涙ぐむくらいに。おおげさじゃなく、あたしは「写真」という芸術への希望をがっつりととりもどした、というかんじがする。ああ、行ってよかった!ほんとうに!!
そして今夜、みれいさんの紹介で出会った旅人ささくんのおうちにおよばれし、持ち寄りベジごはんでささくんいってらっしゃいナイト。おいしくたのしく魅力的なひとばかりでステキな時間。おじゃましました&ごちそうさまでした!!ささくんよい旅を!! そして、そこで会った杉山正直くんの今回写真新世紀展で優秀賞をとったという作品を見せてもらった。見たことない写真、というかんじが強烈にした。あるいは彼の作品をおもしろい写真というひともいるのかもしれないけれど、あたしはほんとうにこころから、ただただ、感動してしまったのだ。手法のアイディアももちろんすばらしいのだけれど、彼の作品をずずっと抜きん出たものにしているのは、彼がまぎれもなくほんとうに旅をした、という生々しいかんじだと思った。
カメラとかフォトショップとかのテクノロジーとかがぐんぐんあがっている今、誰かのスタイルをつるりとちょろっとマネすることはほんとうに簡単なことに思えるけれど、生き方をコピーすることは、なかなか、というか、ぜったい、できない。そこにほんものとにせもののちがいがあると思う。いかにほんとうか、どうか。ただのまねっこにはない、ほんもののエネルギー。パルコの写真展も、なにげない写真のような1枚の、そのうしろに壮絶な毎日があったり、静かな闘いがあったり、そういう何かが隠しようもなくしゅるしゅるとにじみでているから、あんなにすさまじかったんだと思う。
ふぅ。
(興奮)
(息つぎ)
尊敬する画家/アーティストのしもんくんこと下平晃道くんの個展に行けず、ひじょうにざんねんでメール。しかもTRAX!!行きたかったなぁ。そしたらしもんくんが、ある1枚の絵はナカマサの写真を見て描いたんだよ、と言って、送ってくれた。それはあたしがものすごくだいじに思っている写真のひとつで、(そういうだいじな写真をぽいぽいとブログに載っけていたころのやつ)びっくりした。同じアングルで、でも、しもんくんの絵だった。ものすごくうれしかった。何年か前、仕事で行ったグアムでとてもだいじな瞬間があって、そのときのきもちを忘れないようにしよう、と思って、撮った写真。被写体はなんてことない、ホテルのそのへんのチープな椅子。うまく言えないけれど、椅子を撮りたかったんじゃなくて、そのときにあたしの中を照らした光を記録したくて、そしたらそこに、たまたま椅子があったから、撮った、というような写真。日々こぼれおちていく記憶の付箋、みたいなもの。その後そういう撮り方はとても増えていくことになるんだけれど、そのときのとんでもなく神がかったかんじは、いまでもはっきりとおぼえている。そんな写真。それを鋭い目を持つしもんくんがちゃんと見つけてくれたことが、自分でもびっくりするくらいうれしかった。しもんくんありがとう!!
わーいわーいと飛び跳ねたいきもち。
なんだか、写真をまた好きになったここ1週間。個展は今年はできないままだったけれど、来年、ぜったいやろう。もう、ぜったい!!
てなわけで、明日から山口県!ふぐ!
行ってきまーす。