それは美しい海でも風でもなく、やっぱり人を、スラッシュ、あたしを、ものすごい勢いで変えるのはあたしではないほかのにんげんの宇宙みたいに深いエネルギーのかたまりだとあらためて思う。それはもうあらがえないくらいのスピードで、深さで、変えていく。変えるというよりも、入れ替えるというほうが、近い。
やさしさ、かしこさ、無防備であること、正直さ。目の前の景色を違う色で見ていると、あらゆる形容がかつてとはいつの間にか意味を変えていることに気づく。やさしさは考えていたようなやさしさの形をとっているとは限らず、かしこさはそんなにたやすく手に入るものではなく。世界はとても広く空はどうしようもなく高い。窓の外は完璧に晴れ渡っていて、ニガナはとても苦く、あたしは新しいステキなともだちができて、ものすごーくうれしい。