アナマキのライブをもう一度みたい。思い立ったが吉日なのでトシオくんと新幹線に乗り豊橋へ。東京から1時間半。豊橋はトシオの生まれ故郷なのだ。数十人でいっぱいのライブハウスでアナマキの姿をじっと見る。今の二人を忘れないように。鋭く生きる二人がこれからもそのものすごい感受性であらゆる感情を歌にすることを願う。
その後のあたしたちはものすごかった。鋭さとは真逆の2日間。
トシオ家でほぼ30時間ほど断続的に眠り続けてしまったのだ。食べる。寝る。本を読んで寝る。空腹で起きて食べて猫と遊んでまた寝る。お母さんの食べきれないほどの手料理と用意してもらったピンクの(トシオは水色の)パジャマで。それはカラダじゅうのしゃきんという機能をぐにゃぐにゃとさせあたしたちはダメなこどもになる。窓から降りそそぐ美しい光もいけなかった。そこに見える枝にとまる小鳥たちも。小鳥の言葉がわかりそうな気がするくらいずっとみていた。日が暮れたらちゃんとどっぷりと暗くなるその町であたしたちは竜宮城のように暮らしてしまった。三重にドライブに行こうと話していたのが次に起きたときには愛知を回ろう、になり、それがこの町をぐるっとしよう、という話に縮小して、最後にはせめて犬の散歩くらいはしよう、と。言いながらまたぐうぐうと寝てしまうあたしたちでありました。ずっと水色とピンクで。
お母さんの確かな生活者ぶりに感銘をうける。
真のしあわせと強さは、やっぱり日々の暮らしと共にある。
東京に戻ってからトシオは始発で直島へ。あたしは六本木でかっこいい人を撮影。
たった2日間なのにあまりの環境のちがいに、外国帰りのときのようなきもち。
たのしかった。猫アレルギーのあたしは人生で一番猫とたくさん遊んだのだ。
無謀にも顔を腫らしながら三本足のミーと。