雨の東京から離れて鎌倉・逗子潜伏の日。LOROの撮影で素敵なご家族のお宅にお邪魔する。マンションなのになんだか長屋みたいな雰囲気のご近所づきあい。しあわせそのものご家族。いいないいな。ものすごく偶然、しんちゃんの高校の先輩だったことが発覚した奥さまから島らっきょうのおみやげをいただく。ありがとうございます。ばったり、とか偶然、とかだらけの今日このごろ。ステキ。きのうコバヤシさんから36才絶頂説という話を聞く。あたしは今年36才。(すっかりわすれてたけど!!)しかし今年が絶頂だなんて気がぜんぜん、しない。つよがりとかじゃなくて、ほんと、ぜんぜん。そして今日会ったあたしの師匠とお呼びしたいドイさんは、おいくつかわすれちゃったけどお嬢さんがもう大学生だから36才ではないと思う。お会いするたびにいつも楽しそうに好奇心まみれのドイさんにあの話をしたら一撃であっさり否定してくれた。ていうか、その、ぴかぴかのドイさんの存在自体でじゅうぶんなのです。今日、お目にかかれてほんと、よかった。
海が呼ぶので海岸へ。いい天気すぎる。きもちよすぎる。わーい。東京はグレーの空だとりえちゃんからメール。天気でものすごくきもちが変わるあたしはグレーなうちは今日は東京に帰らない、と決める。海辺で中野から来ていたユタカくん(5才)にたくさん遊んでもらう。犬が走っていてひとびとは走ったり寝転んだり波に乗ったり、している。平和そのもの。あたしは写真をたくさん、撮る。日差しをあびてまたうっかり日焼けし、はらぺこになり、逗子に来たらcoyaでしょう、ということで向かう。
ここは東京とはまったくちがう時間が流れている。ゆっくり、ごはんを食べたり、コーヒーを飲んだり。きこさんからとつぜん、お皿を譲ってもらう。あたしがcoyaでちょこちょこ買わせてもらっている器をおぼえていてくれて、趣味にあうかなと思って、と。すごくうれしい。お礼になにかしたくて、でも、あたしは特技が写真だけだ。だから4人の家族写真を撮らせてもらう。すっかり大きくなったリクちゃんと、すっかり両親の顔になったジュンくんときこさんと、ベイビーと。写真の中では家族写真がダントツにすき。写真にしかできないすばらしいことのひとつだと思う。川の前に立ってくれたみんなの笑顔がすばらしすぎて、勝手に涙ぐみそうになる。うえーん。今のこの4人の姿は今だけなんだよなぁ。はじめてきこさんに会ったときはまだ、ふたりだったのになぁ。倍になったよ。
豆のおいしいごはんを食べながらジュンくんのものと思われるカート・コバーンのジャーナル(日記)を読む。直筆のノートをそのまま複写した、息づかいが聞こえるくらいのなまなましい言葉。あふれでて仕方なかった彼の叫び声が聞こえる気がする。彼はあまりにも短かったその人生で出すべきものをぜんぶ、吐き出せたのかもしれない、と思えるほどの強い叫び。その濃さと言ったら。あげたてのドーナツとおいしいコーヒーもいただいて、お店をでる。あっというまに2時間くらい経っていた。ハワイ、ポルトガル、またはブラジル時間みたいに。そういえば、一度も時計を見てなかったな、カートと抜ける風のおかげで。
帰りがけにIKEAをのぞくけどほしいものがぜんぜんまったく、ない。かわいい男の子が自作と思われる「コンクリート、ミキサー車、ぐるぐるぐるぐる♪」という天才的な歌を歌っている。これを聞くためにIKEAに立ち寄ったんだなと思うくらいのいい歌。あたしたちも歌う。ぐるぐるぐるぐる、が秀逸。そしてしんちゃんとハナレグミの『光と影』をしつこくリピートしながら帰る。いい歌すぎる。来週のライブがものすごくたのしみ。そのライブに誘ってくれた道産子はーぴーとママ和子さんから北海道のぷりぷりのアスパラガスが届いていた。 いやーーん、ありがとう!生で食べてもおいしいくらいのフレッシュなやつ。舞茸とバターとブラジルの黒こしょうで炒めてみる。おいしい。いただいた島らっきょうは塩もみしたあとシンプルにかつおぶしとしょうゆで。プラス、豚しゃぶ(トシオ用)とかつおのたたきとそうめんとおいしいトマトのサラダ、という食べたいものをやたらと全部並べたってかんじの食卓で、かんぱい。ただいま。今日も話すことがたくさんあるから聞いて。