冬の空は高くてくらくらする。きーんと高い周波数の音がするような青。橋を渡る時見上げると、隅田川の上を鳥たちがらせん状にダンス中。ずっとみていても飽きない。きもちよさそすぎる。カメラを持っていないことをちょっと後悔。でもあの光景を残すには、写真じゃないほうが、いいかもしれない。たまにそう思うことがある。残すとしても、その形そのものを撮るのでは逆に遠くなってしまう。そのとき聞こえた周波数と同じ音の何かを撮るほうが、よほど近い、というか。
アルムにあたしの写真を撮ってもらった。写真を撮ってもらう機会は撮ることに比べると断然少ないので、とても新鮮。撮られるひとというのはこんなきもちなんだ、とよくわかるよい体験。写真というのはふたりの関係性がこんなにも写る、ということが被写体になったほうがより、わかる。撮るときにもそれは、じゅうぶんに感じているつもりだったけれど。あたしはアルムのことがとてもスキなので、なんか中学生みたいな素朴な顔で写っていた。小学4年生くらいかも。撮るひとにすべてを預ける撮られ方とか、いっしょに作っていく撮られ方とか、被写体が撮るひとをコントロールする撮り方とか、いろいろあってどれがいいとかないと思うけど。今日、小学生みたいに写る写真はとてもいい写真でスキだな、と思った。あたしはいつもどんなふうに撮っているんだろう。よい仕上がりはもちろんだけれど、撮られるという時間自体がよいものでありたいな。とにかくうそとかフリはダメ。あらためて思う。だって、バレバレだもん、そういうの。アルム、ありがとね。ステキな写真なのでみせびらかしたいけれど、もったいぶって、また、いつか☆
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師走らしく走り、いろんなこと、満載な日々。今日はオープニングレセプションと忘年会、合わせて5件もはしご。ふう。おかげで万歩計も2万歩超え。太ももが筋肉痛。歩くのがだいすきなのでうれしい。うふふ。で、まずは赤地剛幸くんの映像展 「The Time of World」。世界中を旅して撮ったという映像を見ていたら、強烈なデジャヴがあって、なんだろうなんだろうって思った。たくさん積み上げられたブラウン管が、いろんな国のひとを望遠ぎみのレンズでたくさんたくさん、映している。その見え方にものすごく既視感がある。ざわざわするくらいに。なんだっけ、これ。頭をぶんぶん振ってソートしたら、わかった。あたしが世界のいろんなところに行ってぷらぷらして、遠くに魅力的なひとびとが暮らしているのをキャッチしてた時の目線とすごーく似てる。じゃましないように、ともだちになれるように、それでできたらそのまま、もっと近づいて写真も撮らせてもらえるように、うふふって近づいていくときに見ていたアングルだ、って思った。展示の仕方もすごくデジャヴ的で、また、静かな時間に行ってぼけっと眺めたいって思いました。そしてああ、旅にいきたいな。
Gallery PLSMISで27日まで。
そしてそのあとはモデルの山川未央ちゃんと須永繭子ちゃんのユニット、MIO et MAYUの展覧会。姉妹みたいに似ている白いうつくしい花みたいな二人の、頭の中がそのままするりとでてきている、みたいな作品。ずっと続けてほしいなって思った。被写体としての表現力もとてもすばらしい二人だけれど(ほんとに。ファインダー越しにうっとりしてしまうのだ。)、作品も、好きな世界のつらぬき方が徹底してて、スキ。
ROCKETで22日まで。
そのあとたのしい集まりに3つも顔をだして、お世話になっているひと、だいすきなひと、なつかしいひと、はじめてのひと、たくさんとハグ&ハグ。ぎゅうぎゅう。ひとの縁ってほんとうにふしぎ。ふとしたことで出会ったひとが、あたしが今ここにいる大きな理由だったり、偶然(のように)出会ったひとが今や、いないなんて考えられない、とてもとても大事なひとになっていたり、する。やがて、遠くなるひとももちろん、いる。でも寄り添うべき時にはきっとまたふと、近くにいたりするんだろう。ああ人生ってうつくしい。ほんとに。 みなさん、ありがとう。なんか大げさだけれど、みんな、生き生きと生きていて、ありがとう、ってきもち。へんかな? へんでもいいの!!
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こうやって、今年も終わりゆく。
冬、さむいのキライだけれど、だからうつくしいからしょうがない。ぶるぶる。
そういうひとっているなって思った。冬みたいに、きびしくて、うつくしいひと。
(これは一匹狼的な、とり。)