ああ毎日が濃く、刻々とすぎていく。同じことの繰り返しがとにかくもっとも苦手なあたし。あかんぼうとの単調な日々に耐えられるんだろうかなんてぼんやり思っていたのはまったくの杞憂だった。日々起こることは同じように見えてぜんぜん同じことなんかではなく、目に見えて着々と育つ顔、身体。まるまると大きくなっていく。そして、圧倒されるあまりたまに爆笑してしまうくらいの、彼の生きることへの本能の強さ!たとえば、あんなに切実に食事をすること、あたしは、決してない。感心感心。すごい。生きぬくことにこれほど全力で真剣な生き物とこれほど密接に対峙し続けたことは、はじめて。それによってあたしの視力、聴力も飛躍的によくなったのでは、と思えるほどに小さな変化へ自分が反応していることにおどろく。泣き声のバリエーションが増えたことに気づき、彼と見る景色は初めて見るもののようにいつも新しくみずみずしくって、つい、立ち止まって涙ぐんでしまう。
この最高に愛らしい彼がこの世界に生まれたときに、もし、あたしももう一度生まれ変われたんだとしたら、そんなおもしろいことはない!あーー今日もすばらしいお天気でむずむずする。やばい、世界は猛烈にうつくしい。3人で冒険にいこっと。