ふと手にとったフリーペーパーに書いてあった言葉に釘付けになった。
「死なないことを大事にするのではなく、生きることを大事にしようと思ったのだ」
岩崎俊一さんというコピーライターさんのエッセイだった。それはまさに今あたしが思っていたことと重なることだったので、そのページをじっくりと眺めてしまった。頭の中で形をもたずに散り散りにただよっていた思考が言葉に鮮やかに写し取られた快感、というかんじで。
そう、あたしは、とにかく生きたいのだ。死ぬまで生きたいのだ。生まれた意味を探しながら、毎日毎日食べて笑って抱き合って大声で叫ぶように生きたいのだ。太陽に喜び、風に喜び、土に喜び、水に喜び、月に祈って、毎日生きたいのだ。生きるっていうのは、つまり、そういう営みをえんえんと生き生きと力の限り続けていくことなのではないかと思う。命の火をぼうぼうと燃やすことなのだと思う。ぼうぼうぼうぼうぼうぼうと。