ちょうど一年前の同じ日にわたしはおりりんと遅いランチを下北沢のだいすきなお店、ティッチャイでとっているところだった。まだ歩けないサイを抱いたままデザートを食べているときだった。大きな揺れに悲鳴をあげた。店の前の道に飛び出して、海のように波打って揺れる地面の上で抱き合って揺れをしのいだ。店主のみゆきさん、歌うたい春菜ちゃん、おりりん、あたし、真ん中にサイ。ぎゅうぎゅうと抱き合った。その後、ちかねえの家に身を寄せさせてもらって、おうどんを食べながらトシオの帰りを待った。悪夢みたいな映像を繰り返しテレビで見ながら。
一年前のつぶやきをtwilogで見るとその日の様子が昨日のことのようによみがえってくる。飛び交う情報と、大事なひとたちとの安否確認。
あれから一年経ったんだ。
あのときと同じ席に座りながら、まったく違う世界にいる自分を強く感じる。
同じ時間に同じ場所で、おりりんとトシオと、みゆきさんと春菜ちゃんと、目を閉じた。
サイも、いっしょに。まぶたの裏に涙がすごい勢いでたまった。一年分の涙。
でも、被災地の状況を思うと、感傷的になるなんてあまりに早すぎると思う。
その苦しみが、どれだけわかっているか。
何ができるのか、何をしてきたか。
わたしたちにできることのいくつかは、強く想像することと決して忘れないこと。
そして、考え続けること。動くこと。間違っていると思うことには大声でNOということ。
それらをすべて続けること。
愛すること。感謝すること。
あたりまえでは決してない、ありふれた日常が送れることの尊さを。