サイが突然高熱を出した。気づいたらほかほかに暖かい体。40℃を超えてうんうんうなる日々。あたしたちもうんうんうなった。全身で一生懸命戦っていた。70cmくらいのちっこいカラダが。うううかわってあげたいよ。ただただ見守る。見守るしかできないのってもどかしい。ずっと話しかける。まったくいつもよく話す母親だとサイは思ってるだろうな。いつもだったら返事してくれるのにね。無言のくったり・サイ。
いつもの雄叫びもいつもの破壊もいつもの笑い声もない4日間。早くいつもみたいに朝6時ぴったりに笑いながら飛び起きてあたしたちの上に虎の子みたいによじのぼってよ。そう祈りながら暮らした。眠れないみたいで15分おきに泣き叫ぶ夜中。トシオと交互にかかえて背中をさする。今朝、触るとなつかしい温度の体。おなかを見ると、わ!無数のぶつぶつが!!うわさの突発性発疹だ。突然高熱を出し、やがて下がると発疹が出る、という。教科書通りの症状に胸をなでおろしつつ、念のためお医者さんに太鼓判も押してもらう。そういえばあたし、昨日はほぼ一睡もしてないや。
親がこどもにしてあげられることなんて、どれだけあるんだろう。こどもの力を信じて見守ることしかできないのかもしれないな。これから、サイが大きくなってからも。見守る以外にできることはきっと、愛すること。どんなときでも一番の味方だし、ずっとずっと見てるよって伝えること。それなら、自信ある。
サイ、5日間もよくがんばったよ。あごにたっぷりとついてた肉がなくなって、すっかり細おもてになったやせっぽちサイがやっとにこにこ笑った。うれしい。おかえり。ジングルベルジングルベル。何よりの、贈り物。